新MBA論

MBAについて色々。タカ派な内容に終始。

MBAにまつわる勘違い

よくあるMBAにまつわる勘違いについて論じる。以下が、主だったものだろうか?(1)MBAで人生が変わる、(2)英語ぺらぺらになれる、(3)グローバルでの人脈形成

 

(1)MBAで人生が変わる

これはいうまでも無いが、MBA出たからといってスーパーマンにはなれない。よく、キャンパスビジットをする人間と話していて聞くのだが、授業を聞いているだけじゃその道のスペシャリストにはなれない。たとえば、投資に関する領域であることなのだが、授業で株式投資や債券投資を学んだからといって、そのまま投資ファンドで活躍できることはまず無い。投資の世界は、様々な市場変化を目の当たりにし、変化への対応を考え抜き、そしてリスクをとってこそ学びがあるものなので、「授業を受けました!」レベルでは到底プロにはなれない。それは投資の基礎となるフレームワークを学んだに過ぎない。MBAはマネジメントに関する多様な領域に関する基礎を学ぶ場としては適しているものの、応用を学ぶ場としてはそもそもの設計上、適していない。

 

(2)英語ぺらぺら

これは大嘘だ。英語環境への耐性や英語をしゃべる度胸はつくだろうが、2年間すごしたからといってぺらぺらになるには程遠い。これまで海外経験が無く、MBAで2年米国で過ごしたからといって、英語がフルエントにしゃべれるようになった人間を自分は知らない。英語が下手にもかからわず、MBAにきてしまうと大変苦労する。その苦労とは、授業で発言できない、人付き合いが出来ない、授業の内容が聞き取れないなどだ。そもそもMBAは英語を学ぶ場ではないので、英語力向上を主目的にきてしまうと、そもそもの学びの機会を逸してしまうので、やめておいたほうがよい。

 

(3)人脈

これは人による。米国のビジネスシーンにおいて、何よりも大事になるのがコネだ。就職活動では、どれだけコネがあるかが成否のわかれるところだ。いくら高学歴だとしても、応募する企業の内部にコネクションがなければ、クローズリストには載らない。つまり、書類落ちだ。だから、米国で就職するためにはコネ作りが大事。インサイダーによるリファレンス超大事。起業する場合でも、パートナーやクライアントを得るために、コネを作っとくことは有効だ。

一方、日本に帰る人間はどうだろうか。残念ながら、米国人や日本人以外とのコネクションはあんまり生きない。日本でビジネスをやりたいという意欲のある外国人が、日本人である我々とコネを作ることは大いに意味がある。が、我々にはあんまり無い。コネは基本的に作った場所以外には生きない。日本に帰国して、MBA卒業生ネットワークで人脈形成する方が大事だろう。残念ながら、MBA後は現地に残っているので、完全にイメージでしかないのだが。