新MBA論

MBAについて色々。タカ派な内容に終始。

海外MBAは必要か?

海外MBAは必要なのか?という問いは、筋の悪い問いだ。

必要かどうかは本人が決めるべきだし、絶対に志向すべき学位などそもそも存在しない。英語で筋の悪い問いをしたときに大抵返ってくる答えが、”It depends” だが、まさにそれだ。

 

仮説が存在しないにもかかわらず、MBAの存在意義だけを問いてもまったく意味が無い。仮説が存在しないのであれば、どんな問いも無意味だし、思考する価値すらない。

問いには必ず前提条件となる仮説を要する。もし、MBAを問いの中心としたいのであれば、以下の通り仮説をまず立てるべきである。

 

企業家・起業家になるためには、MBAは必要なのか?

グローバルに活躍できる人間になるには、MBAは必要なのか?

戦略コンサルタントになるために、MBAは必要なのか?

インベストメントバンカーになるために、MBAは必要なのか?

 

こうした具体的な仮説を立てた上で初めてそもそもの問いに答えることができる。しかし、まだ幾分「筋の悪い問い」と自分では思っている。 

当然のことながら、MBAは免許ではなく学位だ。MBAを修了したからといって、特定の業種の専門人材として登用されることは無い。それは他の学問にも言える。文学の学位が無くとも本は書けるし、工学系の学位が無くともエンジニアになれる、コンピューターサイエンスの学位が無くともプログラマーにもなれることと同じだ。資格要件として修了が要求される弁護士や医者等で無い限り、学位など周囲へのサウンディング効果しか無い。

学位と自らのキャリアとの関連付けは、取得した学位ではなく、本人が志向するものだ。自らのキャリア設計に照らし合わせ、必要であれば取得し、そうでないならば取得しない、それだけのことだ。

 日本では、MBAに限らず「留学」を高尚なものとして批判する向き多い。その批判の表層化が「MBA不要論」だろう。MBAといっても単なる学位のひとつでしかないのだから、そこまで批判の矛先を向けられる必要性は無いはずだが、海外留学という文脈から目の敵にされる。よく理解が出来ないことは、MBA取得者が自己弁護にこうした筋の悪い問いに答えようとしていることだ。書籍にもなっているものもある。

良いか悪いかなどその人による。それ以下でもそれ以上でもない、それだけだ。