新MBA論

MBAについて色々。タカ派な内容に終始。

MBAの中での日本

日本は外からの目を気にする。日本人のスポーツ選手が活躍すると、現地まで赴いて「わかりやすい」現地人(アジア系じゃなく大抵「白人男性」)にインタビューする。日本発の何かがフォーカスされると、こぞって海外メディアの報道を取り上げ、さも一大ブームかの様に脚色する。日本人の自尊心喪失の表れか、こういった海外から日本をポジティブに捉える「心地よい」情報に人々は飛びつく。しかし、日本人が思うほど、世界は日本を意識していない。GDP世界第三位の規模を誇ろうが、外国人にとって日本はただの無数にある国のうちの一つだ。捕鯨だろうが、レーダー照射だろうが、そもそもこちらでは全くもって注目されていない。

 

MBAの文脈に話を移すと、プログラム中に取り上げられた「日本」は二つだけだった。それも、金融・経済政策の失敗、そして超高齢化・人口減少という悪い事例としてである。日本は、ビジネススクールの中で良い取り上げ方をされることは全くなく、失政・失敗の恒例としてしか取り上げられない。かつては、成功を収めた日本企業が数多くビジネスケースとして取り上げられたが、いまや埃を被り、化石化している。「MBAでの注目=世界からの注目」というつもりはない。しかし、ビジネススクールの現場では、紛れもなく日本に対する良い意味での興味は失われていると言わざるを得ないだろう。注目されることが良いこととは全く思わないものの、こうした日本離れは日本人にとっては少しさみしい。