新MBA論

MBAについて色々。タカ派な内容に終始。

MBAと差別

米国のMBAを目指す方々からよく質問される内容が差別についてだ。特に、トランプ政権誕生以降、移民抑制やネオナチの台頭などの報道が目立ち、留学生にとって不安の種となっているらしい。しかし、よほどハードコアな共和党支持(というかトランプ支持)地域の大学に通うわけでないのであれば、不安になる必要はない。どの主要大学も外国人留学生は大きな収益源となっていることから、大学としてトランプ政権の動きに(表立っては)反対しているし、差別を受けることは無い。学生同士でもそうだ。喧嘩がヒートアップし、人種に基づく罵倒を投げる奴もいるが、普段の生活で差別は全く感じない。

ただ、明確な区別は存在する。プライベートな世界に入れば入るほどこうした区別の色は強くなる。まず、アメリカ人はアメリカ人同士でしか基本つるまない。このアメリカ人には、国籍が米国でなくとも、こどものころから米国で育っており、バリバリのネイティブスピーカーも含む。そして、そのアメリカ人同士のコミュニティもセグメント分けされており、アジア人はアジア人同士だし、白人は白人同士、黒人は黒人同士、移民一・二世は移民一・二世、移民三世以降は移民三世以降と面白いように細かく分かれている。

それ以外の外国人は外国人同士でハングアウトする。欧州のMBAに行った人間に聞くと、米国ほど区別される意識は無いそうだ。そもそも、学生の国際性も非常に多様だし、EUという存在が多様性を許容している。一方、米国で言う多様性とは、アメリカ人の中での人種・性別の多様性であり、国籍の多様性ではあまりない。こうした多様性をそもそも前提としていないことから、属性による区別を受けやすい。

こうした話を一般化するつもりはない。アメリカ人でも日本人と親密になろうとする人もいるし、日本人でもアジア人(日本人)と明確に距離を置こうとする人もいる。言いたいことは差別は忌むべきことである一方で、誰と仲良くしたいかという区別は個人の自由だ。こうした状況に対して文句を言うつもりはない。